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コラム

2024年マンション相続税評価額の変更について2024年02月02日 更新

2023年度税制改正により、2024年1月1日以降に相続・贈与・遺贈により取得するマンションの相続税評価額の計算方法が大きく変更されました。従来の評価額よりも大幅に上昇する可能性が高く、多くの相続人にとって大きな影響となりそうです。
2017年以前の評価方法は、建築費や床面積などを基準に算出した「固定資産税評価額」に一定の補正率を乗じて算出していました。しかし、この方法では床面積が同等なら低層階も高層階も相続税評価額に大きな差はなく、高層階に行くほど実際の市場価格と乖離が大きくなっていました。2018年からは評価額の計算方法を変更し、上階へ行くほど高くなるように調整されましたが、まだ高層階へ行くほど相続税評価額と実勢価格の差が大きくなるのは解消されませんでした。特にタワーマンションの高層階は乖離が大きく、実勢価格に比較して相続税評価が低かったので、富裕層の相続税対策に利用されていました。この不公平を是正し、実態に即した評価を行うために今回見直されました。

新評価方法は、以下の要素に基づいて算出されます。

路線価:国税庁が毎年調査・公表している、路線ごとに設定された土地1㎡あたりの評価額。
床面積:専有面積に加え、バルコニーなどの面積の一部を加算。
築年数:築年数経過による建物の価値減少を考慮。
建物の構造・設備:建物の構造や設備の質を評価。
用途地域・階数:商業地域や高層階は評価額が高くなる。
評価時点の市場動向:近隣の類似物件の取引事例などを参考に評価。

新評価方法は、従来の評価方法よりも次の点が大きく異なります。

評価乖離率に基づいて評価水準を算出し、現行の方法と大きな乖離が見られる場合には、計算によって補正を行うこととなります。場合によっては、現行の計算結果よりも評価額が大きく上昇し、税額も大幅に高くなる可能性があります

・評価の複雑化
路線価や建物の構造・設備など、様々な要素を考慮する必要があるため、評価が複雑化します。

おおよそ、次のような変化が予測されます。

・築浅・高層階・都心部のマンション
大幅に評価額が上昇する可能性が高い。

・築古・低層階・郊外のマンション
評価額はあまり変化しない可能性が高い。

・相続税の納税額
評価額が上昇すると、相続税の納税額も増加。


新評価方法の導入により、多くのお客様が相続時の税額増加に直面する可能性があります。
そこで、お客様の状況に合わせて、次のような対策を検討することをお勧めします。

・生前の対策
早めに現金資産等を別の財産に移し替え、評価減による相続総額の圧縮をすることで相続税の納税額を軽減。
見込相続税額と比較して有利になるなら、生前贈与で贈与税を支払うことで相続税を圧縮します。(相続開始3年以内の贈与は相続財産に戻されるので早期着手が肝要です。

・専門家への相談
税理士や弁護士などの専門家に相談し、具体的な対策を検討します。

・節税対策
生命保険や損害保険など相続税軽減効果のある方法を採用します。

・不動産の整理
相続税の納税資金を確保するためや、将来の二次相続にそなえて、資産価値が高く比較的相続税評価の低い不動産を残し、資産価値が低く比較的相続税評価の高い不動産を別の財産に変換します。

特に不動産をお持ちのお客様に関しては、従来は高層階のマンションが実勢価格と相続税評価の乖離が大きく、相続税対策として効果的でしたが、今回の改正でメリットが大きく損なわれます。その他の不動産でも、単純に路線価と面積から算出する評価額だけでなく、広大地評価(平成30年から「地積規模の大きな宅地の評価」と変更)や急斜面の市街地山林、奥行価格補正など、精査すれば相続税評価額を圧縮(法的に有効な評価減方法を適用)できます。

補足として、これらはあくまで概要であり、詳細については専門家に相談することをお勧めします。
国税庁のホームページでは、評価方法に関する詳細情報が公開されています。

国税庁:財産評価
国税庁:相続税路線価図

不動産会社として、お客様の相続税対策をサポートさせていただきます。
ご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。

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